嫌い、のち好き、のち愛
「誰にも話したことないんだけど、同じ恐怖症もってる真咲ちゃんになら話せるかなって……」
そう言うと納得したのか、少し頷く。
「ほんとに悩んでるんだ」
自分で思っていたよりも深刻な響きになりちょっと驚く。
真咲ちゃんも、驚いた顔で俺を見ている。
ああ、でも俺……思ってる以上に真咲ちゃんに期待っていうか、すがりたいと思ってるのかも。
こんな生活はもうきっと限界なんだ。
「だから、話だけでも聞いてくれない?」
そう言うと、真咲ちゃんは少し考えていたが、信じてくれたのか頷いた。
「やった」
そう言って笑うと真咲ちゃんが驚いた顔で俺を見る。
どうしたんだろうと思いつつ、信号が青になったので車を走らせる。