嫌い、のち好き、のち愛

「はい、超幸せです」


そう言う大翔にふんっと笑う。


「なんだそれ、結婚でもすんのか?」


そう言う俺に大翔は驚いた顔を見せる。


「なんで分かるんですか?」


「はあ!?」


なんで分かるんですかって、冗談だろ。


いくら三年間も片想いしてたとはいえ、まだ付き合い始めて一ヶ月やそこらだろ。


「年内に入籍予定です。もう親にも挨拶済ませて、来月結納です」


なんのためらいもなくそう言う大翔が正直信じられない。


「そんなに早く決めちゃっていいのかよ」


「だってもうたすき以上の人は現れないですもん」


そう言って笑う大翔が、俺には理解できない。




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