嫌い、のち好き、のち愛

「とりあえず話はあとにして、食べちゃおうか。お腹すいてるでしょ」


俺がそう言うと真咲ちゃんは鯖味噌定食を前に嬉しそうに笑った。


今度こそ、満面の笑顔。


その顔を見て俺は持っていた箸をポロッと落とした。


「村上さん、箸落ちましたよ？」


真咲ちゃんにそう言われてはっとする。


「ああ、ごめん。真咲ちゃんに唐揚げ一個あげるね」


「あ、ありがとうございます。村上さんも鯖味噌食べていいですよ」


そう言ってまた笑顔。


やばい、めちゃくちゃかわいい。


確かに目尻が下がるせいなのかなんなのか、笑うと幼くなる。


おどけないっていうか、普段の顔とギャップがあってヤバイ。