嫌い、のち好き、のち愛
そうだよな、あんな噂されてるとこにあんなこと言ったらそりゃそう思われるわ。
そんな噂あんの知らなかったし。
大翔も知ってたならもっと早く教えてくれればいいものを。
「それ嘘だから。俺、会社の子に手を出したこと一度もないし」
俺がそう言うと真咲ちゃんは目を大きく見開いた。
「ほんとに、絶対、神に誓ってない」
「でも、多恵さんが村上さんとそういう関係だったみたいなこと言ってましたよ」
多恵、多恵……全然顔と名前が一致しないけど、多分あれか。
「あー、顔と名前が一致しないけど俺その子のこと振ったから。あとその子のこと好きだった同僚がいて俺を理由に断ったらしいから。逆恨みされて変な噂流されたのかな」
俺、大翔と違って男受け悪いしね。
「じゃあ、なんであの時あんなことを?」
きた、誤解を解くチャンス。