嫌い、のち好き、のち愛
「特定の彼女作ればよくないですか?」
そう思うよな。俺は真咲ちゃんに苦笑いする。
「俺もそう思ってそうしてた時期もあるんだけどね。みんな、ひいちゃうんだよね。気持ち悪がってさ。そうなると俺も辛いから、一夜の関係のが何言われようとまだ楽っていうか」
俺のことを、気持ち悪いものを見るように見た彼女たちの瞳を思い出して、胸がズキリと痛む。
俺がそう言うと真咲ちゃんが眉間にシワを寄せる。
「最低ですね」
その言葉に、やっぱり理解はしてもらえないかと少し荒んだ気持ちになる。
「最低ですよ。そんなの、彼女さん達は本気で村上さんのこと好きじゃなかったってことじゃないですか。彼氏が苦しんでるのに、そんなの最低です」
予想外すぎるその台詞に俺は真咲ちゃんを見て固まった。