嫌い、のち好き、のち愛
「……一夜の関係とか言ってる俺は最低じゃないの?」
「誉められたことではないと思いますが、睡眠は大事ですし。死活問題なのでまだ村上さんの行動はまだ理解できます」
そう言ってじっと俺の顔を覗きこんでくる。
「村上さん、いつも顔色が悪いのはお遊びが激しいからだと思ったんですが……違ったんですね」
ある意味、お遊びが激しかったからではあるんだけど、それは言わないでおこう。
「信じてくれるんだ」
「ええ、まあ。一度泣いてるの見てますし」
そうでしたね。恥ずかしかったけど、ある意味よかったのかな。
「それでね、真咲ちゃん。俺と寝てくれない?」
あ、やべ。また間違った。
みるみるうちに真咲ちゃんの眉間にシワが寄っていくが、俺は逃げられないようにと反射的にテーブルの向こうに手を伸ばして真咲ちゃんの腕を掴む。