嫌い、のち好き、のち愛
「違う、そういう意味じゃなくて。隣にいてくれるだけでいいから。絶対に、何もしないから。俺、今日不眠四日目なの。真咲ちゃんがいてくれたら大丈夫な気がするの」
情けないほど必死にすがる俺を見て、真咲ちゃんの眉間のシワがほどけた。
「……ほんとのほんとに、何もしません?」
真咲ちゃんの言葉に期待してしまい俺は笑顔になってコクコクと頷いた。
「絶対、何もしない。なんなら誓約書書く」
そう言う俺に真咲ちゃんは少し考えたあと、頷いた。
「分かりました。お役に立てるかどうか分かりませんけど」
そう言われて、俺はさっと立ち上がる。
気が変わられても困るし、眠いし、善は急げだ。
「早速だけど、出ていい?もうずっと眠くて」
俺がそう言うと真咲ちゃんも急いで立ち上がる。
「それは大変ですね。急ぎましょう」
そう言われるとは思わなくてまた笑ってしまう。
真咲ちゃんて、少しずれてるというか……真面目なのかな?