嫌い、のち好き、のち愛
「平気、慣れてるから。とりあえず真咲ちゃん、家教えてくれない?お風呂もうちで入っていいし服も全然貸すけど……真咲ちゃんが嫌でしょ?一回送ってく」
「慣れてるって……。嫌ではないですけど。そうですね、その方がいいかもです。えっと、あっちです」
真咲ちゃんに道案内をされて、車を走らせてるうちにもしかしてと思う。
「ここです」
そう言われて本当に驚いた。
真咲ちゃんの住んでいるアパートは、俺の家からほんの200mほどのところにあった。
「俺の家、少し先のアパートなんだけど」
俺がそう言うと真咲ちゃんも驚いた顔をする。
「え、そうなんですか?今まで会わなかったのが不思議ですね」
「そうだね。あ、真咲ちゃん。携帯の番号教えて。準備できたら連絡してよ。迎えにくるから」
真咲ちゃんは携帯を鞄から出しながら首を横に振った。