嫌い、のち好き、のち愛

「いいですよ。近いですから、歩いていきます」


携帯の番号を交換しながら俺も首を横に振る。


「夜遅くに女の子一人で歩かせらんないし。迎えに行くから。絶対に連絡してね」


そう念押しすると真咲ちゃんが渋々頷く。


「じゃあ、村上さんもお風呂に入っててください。なるべく早く準備するので」


真咲ちゃんはそう言うとほんとに急いで車を降りてアパートの中に入って行った。


その背中を見てふふっと笑いがもれた。


本気で俺のことを早く眠らせようと思ってるんだろうな。


なんか、よくわかんないけど……その気持ちがすごく嬉しい。


俺は一人で笑いながら、準備をするべく家に向かった。


< 42 / 128 >

この作品をシェア

pagetop