嫌い、のち好き、のち愛
「いいですよ。近いですから、歩いていきます」
携帯の番号を交換しながら俺も首を横に振る。
「夜遅くに女の子一人で歩かせらんないし。迎えに行くから。絶対に連絡してね」
そう念押しすると真咲ちゃんが渋々頷く。
「じゃあ、村上さんもお風呂に入っててください。なるべく早く準備するので」
真咲ちゃんはそう言うとほんとに急いで車を降りてアパートの中に入って行った。
その背中を見てふふっと笑いがもれた。
本気で俺のことを早く眠らせようと思ってるんだろうな。
なんか、よくわかんないけど……その気持ちがすごく嬉しい。
俺は一人で笑いながら、準備をするべく家に向かった。