嫌い、のち好き、のち愛
「だって、真咲ちゃんは見ず知らずではないでしょ。そりゃ、俺も見ず知らずの女は家に入れないけどさ」
だから正直、ホテル代とかもバカになんなかった。かといって家にいれるのは絶対に嫌だったし。
「俺がお願いしてるのに、真咲ちゃんて面白いね」
俺がそう言うと真咲ちゃんは納得いかないようで首を捻る。
「いつも真面目で面白味がないと言われますが、そんなこと言われたのは初めてです」
「そんなことないよ。俺、今日いっぱい笑ってるもん」
笑いながらそう言うと真咲ちゃんも笑顔になる。
ほんとに、普段は美人だけど笑うとすごくかわいい。
「確かに、今日は村上さんのほんとの笑顔をたくさん見ました。甥っ子さんもなついてて、可愛がってるんですね。ちょっと意外でした」
そう言われて少し恥ずかしくなって、ごまかすように笑う。
そうしているうちに家に着いて、俺は真咲ちゃんを部屋にいれた。