嫌い、のち好き、のち愛
俺は驚いて真咲ちゃんを見た。
「こんなのすぐに治りますから、大丈夫です。私が悪いんです、手を離して起きようとしたので」
そう言って微笑む真咲ちゃんが、俺には天使に見えた。
「ごめんなさい」
そう言って、服の袖で俺の目からこぼれた涙を拭いてくれる。
そんな子は初めてで、抱きしめたくて、すがりつきたくてたまらなくなる、けど。
「ほんとごめんなさい、トイレ行きたくなっちゃって。借りますね」
そう言って寝室を出ていく真咲ちゃんの背中を呆然と見送って、笑ってしまった。
ほんとに、面白くて、優しくて真面目でちょっとずれててかわいい。
そしてトイレから帰ってきた真咲ちゃんは、俺をまたベッドに寝かせる。