嫌い、のち好き、のち愛
最後の一球は快進の当たりだった。
俺は真咲ちゃんは振り返って心から笑った。
「すげえ、すっきりした」
そう言うと驚いた顔で俺を見ていた真咲ちゃんがやっぱり天使みたいな顔で笑った。
バッティングセンターを出て、ファミレスでお茶しようってことになって。
真咲ちゃんに断ってから外に出て、姉ちゃんに電話をかける。
『もしもし、大?今日来るの?』
ほぼ土曜は行っていたから姉ちゃんはそう聞いてくる。
「いや、今日は行かない。おのさ、姉ちゃんに聞きたいことあんだけど。姉ちゃんて、母さんのことどう思ってる?」
『どうって、どうしたの、急に』
俺が母親のことを話題に出すなんて初めてだからか、姉ちゃんは不安そうな声を出す。