嫌い、のち好き、のち愛
『でも、幸太が……必要だって言ってくれたし。自分も子供産んで、今は……産んでくれたことには感謝してるよ』
「そっか……」
『でもそういう風に言うってことは、そういうこと言ってくれる子が現れたってことよね?ねえ、そうでしょ!幸太がこないだ会ったっていう子?なんか全然相手にされてなさそうって爆笑してたけど』
あの人……今度会ったら首絞めてやる。
『でも、ほんとに心配してたのよ。いつも目の下にクマ作って。仕事が忙しいのかなと思ってたんだけど。そう、そういうことだったんだ。大はあんまりそういうの言わないから。よかったわね、絶対その子つかまえなさいよ』
「うん、頑張るわ」
『いつかうちにも連れてきてね』
「うん。ちゃんと彼女になったらね」
そう言って頑張んなさい、逃すんじゃないと何度も念押しされながら電話を切った。