嫌い、のち好き、のち愛
振られる可能性もなきにしもあらずなわけで。
いや、だめだ。決意が鈍る。余計なことを考えるのよそう。
そう思い朝から揚げてくれた唐揚げを頬張る。
「ん、うまい」
「村上さんが連れてってくれた定食屋さんには全然敵いませんけど」
「何言ってんの。超うまいし」
一生懸命作ってくれたの見てたし。
真咲ちゃんが起きるのに合わせて俺も起きたけど、料理とかできるわけもない俺は手際よくお弁当を作る真咲ちゃんを眺めていただけだ。
少し料理教わろうかな……。
「あれ?大智……さん?」
そんなことを考えていた俺の思考を遮るその声に嫌な予感がしつつ目線をあげると、そこには驚いた顔をした大翔がいた。