嫌い、のち好き、のち愛
「げっ、大翔」
いつぞやの大翔と同じようにそう言うと、大翔が俺と真咲ちゃんを見比べてニヤニヤする。
くそ、ああ、嫌だ。
なんだ。やっぱりそうなってんじゃないですかって言ってる目だと分かってしまう自分が嫌だ。
隣を見ると、真咲ちゃんはおにぎりを頬張ったまま大翔を見上げてる。
どうしたもんかと思っていると、大翔のでかい身体に隠れていたたすきちゃん、て呼ぶと大翔に怒られるから風見さんがひょこっと顔を出して俺に会釈した。
そんな風見さんを見て俺は目を見張った。
ちょっと見てない間に、めちゃくちゃかわいくなってる。
これが大翔のせいなんだと思うとなんかイラッてするけど。
大翔のくせになまいきな、みたいな。