嫌い、のち好き、のち愛
「真咲ちゃんも会ったことあるんじゃない。彼女、うちに健診に来てる健診センターの看護師さんだから。大翔が一目惚れして、今度結婚するんだって」
そう言うと真咲ちゃんが少し驚いた顔で俺を見る。
「一ノ瀬さん、結婚するんですか。それは、泣く人が多そうですね」
「真咲ちゃんも?」
そう言うと真咲ちゃんは困ったように笑った。
「いえ、私は。ただ一ノ瀬さんは最初の印象がすごく強かったので……」
「え?なんで?」
大翔のやつなんかやったの?
「名前が、一ノ瀬大翔って、なんか爽やかでかっこよくないですか?名前で随分ハードル高くなっちゃう人だな、と思って。実際、お会いしたら名前通りの人ですごいなと思って。なんだかよかったなって、印象に残りました」
それにぶふっと吹き出す。