嫌い、のち好き、のち愛
「確かに。名前通りの奴だね、大翔は」
「村上さんと仲が良いのも、意外ですけどね。真逆ですもんね、一ノ瀬さんと村上さん」
確かにそうなんだけど。なんかウマが合うんだよな、あいつ。
「でも、なんで村上さんと一ノ瀬さんが仲が良いのか分かる気がします。少し似てますね、お二人」
そう言う真咲ちゃんを見るとあの天使みたいな優しい笑顔で笑ってて、ドキッとする。
「俺、真咲ちゃんのこと好きだよ」
無意識にそう口にして、はっとした。
ち、違う。間違った。
こんなとこで言うつもりじゃなかったのに……。
恐る恐る真咲ちゃんを見ると、真咲ちゃんは驚いた顔で俺を見ていて、食べかけのおにぎりがポロッと手からこぼれた。