嫌い、のち好き、のち愛
それから頬が赤く染まって、大きな瞳が潤んでいく。
それを見て俺はぎょっとした。
「な、なんで泣くの」
「だって、村上さんが……」
そう言いつつ膝の上にこぼれたおにぎりを拾って食べ始めるところが、うん、真咲ちゃんだ。
泣きながらおにぎりを食べる真咲ちゃんを見て笑ってしまう。
「食べ終わったら、やり直すから。ゆっくり食べて」
俺がそう言うと、真咲ちゃんは頷いて三個目のおにぎりに手を伸ばす。
それを見てまた吹き出した俺を見て、真咲ちゃんは恥ずかしそうに微笑んだ。