嫌い、のち好き、のち愛
君に愛の花束を
「寝てる時にしか言ってくれないので、半信半疑でした」
家に帰ってきて、俺に抱きしめられている真咲ちゃんがそう言った。
「自分から言っちゃおうかなとも思ったんですが、なんとなく今のままでもいいかな、なんて思ったりして」
頬を染めて、困ったような顔をする真咲ちゃんがすごくかわいい。
「ちょっと勇気が出なかったんです」
そう言う真咲ちゃんに頬を擦り寄せる。
「俺も、いっぱい遊んでたくせにほんとに好きになった子には夢でしか好きって言えないって。情けな……」
そう言うと怒った顔で真咲ちゃんが俺を見上げてくる。