Transformation-異形-
帝重工は、本城達の激しい戦いの影響で各所に火災や爆発が発生。

既に施設内に残っていた者達は全員避難していた。

本城達にとっては都合がよかった。

人目を気にする事なく、『後始末』が出来るのだから。

真琴が命と引き換えに発見した、時空連結システムの前に立つ。

これを破壊する事で、本城達の住む世界と、向日葵の住む世界を繋ぐトンネルは消滅する筈だ。

「向日葵」

十文字が向日葵の顔を見た。

「ここまで色々と有り難うよ。お前には助けられた」

向日葵の頭をクシャクシャとやる十文字。

迂闊に触れれば、子供の手さえ握り潰しかねないと形容されるMHの体で、十文字は驚くほど繊細に向日葵の髪を撫でる。

「さぁ、お前は柊市から離れな。お前はお前の住む世界に戻るんだ。時空連結システムを破壊すれば、お前は自分の住む世界に戻れなくなっちまうから」

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