Transformation-異形-
特に行き先も目的地もなく、ひたすら街の中を歩く十文字達。

そんな彼らを。

「あ」

車道を挟んだ反対側の歩道から、見ている者がいた。

夜更けに急に飲み物が欲しくなり、近くのコンビニへと出かけた帰りだった向日葵だ。

彼女は反対側の歩道で口論している男女に気付き、その中に夕方見かけた男…十文字がいるのを見つけたのだ。

「おーいっ」

「!」

大した面識もないというのに、元々人懐こい性格なのか。

向日葵は十文字に手を振りながら声をかける。

それに気付く十文字。

向日葵は車道を横切って駆けてくる。

「…知り合いか?」

本城が十文字に訊ねる。

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