Transformation-異形-
「休んでいる暇などないぞ、お嬢さん」

背後から、少佐の大鎌が真琴の喉元に突きつけられる。

首を切断されそうになり、真琴は反射的に両手で大鎌の刃を受け止めた。

「お嬢さんなどと呼ぶな…戦士を愚弄する気か…!」

「これは失礼」

少佐は引き笑いする。

「あまりにもか弱く頼りないのでな、ついからかいたくなってしまった」

「貴様っ!」

体を反転させ、後ろ回し蹴りを繰り出す真琴。

少佐は身軽な動きで、この蹴りをヒラリと躱す。

有効打を打ち込めていない。

その癖、追い詰められていく。

多勢に無勢、スペックの差。

如何ともし難い要素は幾つもある。

だが、『自分が女だから』。

その要素だけは、認める訳にはいかなかった。

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