Transformation-異形-
本城と共に機関に叛旗を翻す事を決めてから、真琴は彼と助け合い、支え合いながら戦ってきた。

いつからだろう、そんな彼が、真琴を『女』として扱うようになったのは。

守り、庇い、率先して前衛に立つ。

それもこれも、真琴が『女』だから。

否応なく、自分が『女』である事、本城が『男』である事を意識させられてしまう。

『相棒』でいたかったのだ。

『パートナー』ではなく、『同格の戦士』でいたかったのだ。

そうでないと…そうでないと…。

「うぐ!」

参謀の鎖鉄球が、まともに真琴の背中を直撃した。

口腔部から血が噴き出す。

金属製の強化骨格が悲鳴を上げ、深緑色の甲殻に亀裂が走る。

「どうした!もう終いか!」

追い打ちをかけるように、男爵の棍棒が頭部を殴打する!

複眼にさえ亀裂が走り、真琴は倒れた。

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