殺人事件と雪ウサギ
「余所者……だけどあたしを殺したのはアンタじゃない……」

 幽霊の口の端からは血が流れていた。

「き、君は……! ゆゆゆ、雪ウサギの化身じゃ……?」

「ナわけないでしょ何言ってんの?」

 幽霊は口許の血を邪魔そうに手の甲でぬぐうと、一歩下がって僕の全身をジロジロ見つめた。

 彼女は僕より背が高かった。
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