殺人事件と雪ウサギ
 夏憐が氷の上をふわっと飛び越えて雪玉の横に降り立って冷たく見下ろす。

「あーあ。こりゃもう雪ウサギとは呼べないわね。
 雪ダルマ?
 首なしの雪ダルマか、雪ダルマの生首か。
 どっちにしろ死んでるわね。
 雪ダルマの死体。あきらめなさい」

「やだやだやだやだっ!」

 ウサギは雪玉への体当たりを続ける。

 僕は岸に沿って雪玉に近づいた。
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