殺人事件と雪ウサギ
 やっと半分を過ぎた。

 僕の周りでウサギがピョコピョコ跳ね回る様子を、夏憐が退屈そうに眺めている。

「あたしも手伝ってあげたいとは思うんだけどね」

 夏憐が雪玉に触れたけど、幽霊の手は雪玉をすり抜けてしまった。

「幽霊もいろいろ面倒で、あたしの場合、生きてる人間にしか触れないのよ。
 ほんと、死ぬって悲しいわー」
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