殺人事件と雪ウサギ
「何かお礼するー!」

「お礼するー!」

「何か言ってー!」

「何でも言ってー!」

 僕はツバを飲み込んだ。

「じゃ、じゃあ、僕と友達に……」

「こいつらといくら仲良くなったって、冬が終われば一人ぼっちよ。それがこいつらの寿命なんだから」

 夏憐は何のつもりなのかわざとらしく意地悪な声を作っていた。
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