殺人事件と雪ウサギ
「どーせなら、もっと意味のあること頼みなさいよ。
 ま、こいつらにお金でも拾ってこいとか言ったところで無駄だろーけど」

 雪ウサギ達は身を寄せ合って、小さな目で不思議そうに僕らを見つめてる。

「じゃあ……さ……夏憐の右手を捜すのを手伝ってよ」

「わかったー」

「まかせてー」

 切り落とされた手首を捜す。

 良く考えればとんでもなくグロテスクなお願いなのに、雪ウサギ達はのうてんきな声を残して各々の方角へ散らばっていく。
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