つるの恩返し
「あぁ、すいません!」

彼に謝らせてしまったことに、申し訳なくなり身がすくんだ。


「私なんて大丈夫です!あなた様はお怪我なさいませんでしたか?!」

「私は大丈夫です。あなた、やはり怪我をしているじゃないですか」

「こんな怪我大丈夫です!」

「怪我から病気になるんです。早くおいでなさい」


彼に呼ばれ大人しく土間を上がる。


「少し寒いかもしれませんが、囲炉裏の傍に座ってください」

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