夏という季節
夏の話「嘘」
「父さん、大丈夫?」

僕は心配しながら父に言った

「ああ」

力なく返事する父、説得力の欠けらも無い

今、僕の両親は喧嘩をしている。喧嘩と言っても母が一方的に怒鳴っているだけだが。母は被害妄想が激しく自己中心的な人で気に入らないことがあるとすぐに僕や父にあたってくる。それに比べ父は全くの正反対で口数が少なく何に対しても反論しない。そんなところが母には気に入らないみたいでよく父に突っかかっていく。
そんな喧嘩はよくあることだけど今考えてみれば、この時の喧嘩はいつもより少し違ったきがする

「じゃあ僕遅刻しちゃうから行くね。こんなタイミングで修学旅行なんて、ごめん」
「いや、お前が謝ることなんて何一つないさ。楽しんでおいで」

「うん、いってきます」



それが、父と交わした最後の会話…
最後の言葉だった…
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