窓ぎわの晴太くん
晴太は抱きしめたまま里子の耳元にこうささやいた。
「今、ここでののちゃんにキスしたら僕はもう止まれなくなる」
里子は晴太が何に苦しんでいるのか何を恐れているのか、晴太の全てが知りたいと心から思った。
晴太が里子を求めてくれるのなら何があっても晴太の元を離れないと・・・
里子は初めて自分の方から晴太の背中に手を回した。
晴太の背中は広くて大きくて温かい。
「晴太さん、私はもう止まれません。
晴太さんを愛するこの気持ちは誰にも負けな・・・」
晴太は無意識の中で里子のくちびるに自分のくちびるを重ねていた。
この間のキスとはほど遠い息つく間もないほどの激しいキスを・・・
里子の柔らかいくちびるに晴太の魂はひれ伏す。
里子の偽りのない言葉に晴太の心は涙を流す。
晴太の前に天使が降りてきた。
そして、その天使のキスの味は復讐に駆られる晴太の陰をあの頃の日なたへ誘う。
激しく長いキスは二人の情熱に火をつけた。
更衣室の固い床の上で晴太はかろうじて理性を保っていた。
後15分で休憩時間は終わってしまう。
でも、離したくない・・・
この柔らかくて甘い果実のような里子に俺の方がとっくに溺れている・・・