窓ぎわの晴太くん

   晴太の友達




里子は、西川達がなぜそんな事を言うのか何も理解できずにいた。

せっかく晴太が私に興味を持ってくれた。
そんな小さな幸せを西川さん達に奪われたくはない・・・


「ごめんなさい・・・

でも、もう私も24歳になります。
いい人悪い人は自分でも判断できます。

やめた方がいいなんて、そんな意地悪な事言わないでください」


里子は恥ずかしながら泣きそうになっていた。
だって、晴太を好きな気持ちは私にたくさんの喜びを与えてくれているのに、それをやめるなんてできない。


「ののちゃん、私達はののちゃんの事を思って・・あ・・・」


西川が急に言葉を飲み込んだと思った矢先に、後ろで晴太の声がした。


「おはようございます」


里子は晴太の声を聞くとそれだけで泣きたくなった。


「ののちゃん、もう、今日は何も言わない。
でも、気をつける事・・・

それだけは頭に入れておいてね」


西川は里子の耳元でそう言うと、すぐに自分のデスクに歩いて行った。




晴太は大きな窓の近くの自分の席に座り、その様子をじっと見ていた。




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