窓ぎわの晴太くん



里子は傷心状態のまま朝の仕事をとりあえず済ませた。
9時になるとオペレーター担当の人達は急に忙しくなる。
西川達も席についていた。
心配そうに里子を見つめたまま。


9時が過ぎると里子は、同じフロアにある販売課の総務係に今日のノルマが記載された未記入の売上表をもらいに行くのが日課だった。


里子はこのオペーレーター係に配属が決まった時、皆にご愁傷さまと言われた。
それくらいにこの係は面倒くさくて皆が嫌がる職場だった。
オペレーターは派遣社員がほとんどのため、正社員の里子はいつも孤独だ。
その上、40代以上の女性が多いために小さな衝突はしょっちゅうで、その度に若い派遣さんはすぐに辞めていく。

それでも里子は持ち前の素直な性格で一人ひとりに丁寧に接していく中、いつの間にか派遣のおばちゃん達から慕われるようになった。

その中でも、西川さんチームのおばちゃん達は特に仲良くしてくれた。
西川さんは派遣さんの中でも力があり、どんな問題でも里子の手を煩わす前に解決に導いてくれた。



だけど、今回は、干渉してほしくない・・・
この何の楽しみもない寒々とした職場にやっと胸がときめく花が咲いたのに・・・


西川さん達は何であんな事を言うんだろう・・・









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