窓ぎわの晴太くん
ののちゃん、本当にそれでいいの?
二人の心境
里子は自分の弱さを腹立たしく思っていた。
涙よ、止まって・・・
私は今日、晴太さんとたくさんの話をしなきゃいけないの・・・
気持ちを強く持って気丈にどんな晴太さんも受け止めてあげたい。
「ののちゃん、ごめん・・・
今日は急に休んで・・・」
晴太は苦悩に満ちた表情をしていた。
苦しいのは私一人じゃない・・・
「晴太さん、ご飯食べました?」
晴太はやるせない表情を浮かべた顔で里子を見た。
「いや、まだ食べてない・・・
今日、僕はののちゃんに大切な話があってここに来たんだ。
それで今日もやっぱり時間があまりなくて」
「・・・はい、分かってます。
じゃ、ご飯を食べながら話を聞くのじゃダメですか?
私、晴太さんに美味しいご飯を食べさせたいんです。
私がしてあげられる事はそれくらいしかないので・・・」
里子は晴太が何を話そうとしているのか、もう分かっていた。
ののちゃんにはもう会えない・・・
僕は悪い男なんだ・・・
里子を見る晴太の優しい眼差しは切なさと痛みを帯びていたから。