窓ぎわの晴太くん
里子は仕事を終えると夏子の店へ向かった。
予約は今日ではない。
でも、晴太の事を百も分かってくれているそして愛してくれている夏子にどうしても会いたかった。
「いらっしゃいませ~
あ、ののちゃん、どうしたの?
予約は明日じゃなかったっけ?」
夏子は接客中だった。
でも里子の表情を見ると何かがあって自分を頼って来たのがすぐに分かった。
「ちょっとだけ待てる?
う~ん、1、2時間位かな・・・
後からまた来ても全然いいけど、どうする?」
夏子は不思議と里子の事が放っておけない。
きっとそれが彼女の魅力だ・・・
「よかったら、ここで待ってていいですか?
急に来ちゃった私がいけないので・・・」
「OK」
夏子は笑顔で頷いた。
今にも泣きそうな顔で作り笑顔を浮かべている里子が不憫でならない。
晴太の奴・・・
またなんかやらかしたか?・・・
夏子は奥の事務室に行き、すばやく涼にLINEを送った。
“すぐ店へ直行するように!!
愛するののちゃんがお見えです
あと、何か冷たい飲み物も買ってきて”
こんな時ちょっとバカだが弟は頼りになる。
里子に悲しい片思いの最中だけど・・・