窓ぎわの晴太くん



涼は晴太の家の住所をスマホの地図アプリに入れて言われる通りにその場所まで里子とやってきた。
最寄りの駅から徒歩5分のその場所にはこじんまりとした商店街がありたくさんの人々が集っている。


「俺が思うにあの茶色の6階建ての細長いマンションだと思うんだ」



「はい、私もそう思います」


涼は里子を見た。
里子が様子を見てくると言えば涼はここで待っていようと思っていた。
でも、里子は何も言わない。


「じゃ、まずは俺が行って様子を見て来ようか?」


里子は慌てて涼の横に立った。


「私も行きます」



「一緒に行く?」



「はい」


涼が先に行き里子はその後について行く。
マンションの前に立つと涼はある事に気がついた。


「里子ちゃん、ここ、ウィクリーマンションだ」



「ウィクリーマンション?」


涼の後ろから顔を出した里子はそう聞き返した。


「そう、一週間単位で契約するやつ」


涼はもうすでにいやな予感がしていた。


「里子ちゃん、ここで待ってて。
やっぱり俺が先に行って様子見てくるから」


涼はそう言うとそのマンションに入った。
中はオートロックがあるわけでもなく晴太の借りている部屋まで簡単に行く事ができた。







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