窓ぎわの晴太くん

  二人の行方




里子の前から晴太が去ってもう三か月が過ぎた。
季節は春から夏に変わりそしてその夏も終わろうとしている。

里子の前から晴太は去ってしまったが、里子の生活は晴太と出会う前には戻れなかった。


毎日、二人分のご飯を作る。
晴太が急に里子の家に来た時にすぐに美味しい物を出してあげるため。

仕事帰り、毎日コインパーキングの自販機まで行く。
里子に声をかけれずにいる晴太を見つけてあげるため。

週末は品川をウロウロする。
晴太の情報をそこしか知らないから。


いつの日か晴太の事を忘れる日がくるのだろうか・・・
今の里子からは想像ができなかった。
忘れるように何度か努力をしたけれど努力をして忘れるようなそんな簡単なものじゃない。


晴太さんは私の元へいつか必ず帰ってくる。
そう思って毎日を生きている。

いや、そう思わなきゃ毎日を生きていけないから・・・・












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