窓ぎわの晴太くん



里子は涼に誘われて久しぶりに横浜に来た。

里子は涼と知り合えた事を本当に感謝していた。
同年代ということで話も合うし一緒にいると家族が近くにいるように落ち着く。

涼さんがいてくれて本当に良かった・・・

里子は心からそう思っていた。



二人は横浜の観光名所を一日かけて見て回った。
雲一つない快晴だったがまだ真夏のように暑い。
外にいるより行った先にあるカフェでまったりする時間の方が長かった。


「暑いよな~~~
いつになったら涼しくなるんだ」


涼はアイスコーヒーをすすりながらそうぼやいた。


「涼さんは真夏生まれなんだから暑いのに強いはずでしょう?」



「涼っていう漢字を使ってる時点で暑いの苦手ですって言ってるようなもんだよ」


里子は笑った。


「涼さんと一緒にいると、弟がいればこんな感じだったのかなって思う時がある」



「弟??」



「そう。
涼さんって弟みたいに可愛いし一緒にいると楽しいんだもん」


涼は少し不機嫌になった。

弟って・・・
恋愛感情ありませんって言われてるみたいじゃん。


でも、里子は涼が不機嫌になってることさえ気づかない。


俺って、そんなもんなん?












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