窓ぎわの晴太くん
晴太の今
夏子は奥の部屋に里子を呼んだ。
すると、携帯をいじっていた晴太は急にソファから立ち上がり、慌てた様子で夏子に向かってこう聞いた。
「ののちゃんのエクステって何時頃に終わる?」
「1時間半くらいかな」
「了解」
そう言うと晴太は上着を持ち里子の前にひざまずいた。
「ののちゃん、その頃戻ってくるから。
夕飯一緒に食べような。
夏子、ごめん。
ちょっと用事が入ったから、ののちゃんをよろしく頼む。
時間には必ず帰ってくるから」
晴太はそう言うと、鳴りだした携帯を持って慌てて外へ出て行った。
夏子は苦笑いしながら里子を見て肩をすくめた。
「ののちゃん、じゃ始めようか?」
「はい、お願いします」
里子はエクステは初めてということを夏子に告げ、後は夏子に任せた。
「ののちゃんのイメージが壊れないように、でも、綺麗になるように頑張ります」
夏子は綺麗な顔にくしゃくしゃの笑顔を浮かべ里子にそう言った。