窓ぎわの晴太くん



新しい年を迎え、今日は仕事始めの日だった。


「あけましておめでとうございます」


里子は笑顔で派遣さんに挨拶をする。
新しい年を迎え里子は心に決めたことがある。
もう晴太の事は待たない。
自分のペースで自分らしい生活を過ごす。

その一つに里子は異動願いを出す事にした。
このオペレーター室にいる限り晴太を忘れることはできないと思ったから。
あの窓際の空いてる席を見るたびに晴太の姿が甦ってくる。
晴太に会いたくなってくる。

だから、希望が通るかは分からないがそうすることに決めた。


そして、西川にだけはその思いを告げた。
西川はこの数か月里子の事をずっと心配してくれていたから。


「ののちゃん、本当にそれでいいの?」


西川に何度もそう言われた。
待つのは辛いけど無理やり心から晴太を締め出す必要はないんじゃないかと。


でも、もう決めました。
もう、待ちたくないんです・・・

もう疲れ果てたんだもの・・・













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