窓ぎわの晴太くん



2月に入ると里子の職場はインフルエンザで休む人が増えていた。
オペレーター室は年配の人達が多いせいか他の部署の部屋よりはまだ全然流行っていない。

しかし、総務の事務職の女子社員が次々と会社を休んだために里子は総務に手伝いに行かされた。
マスクをして手洗いを欠かさずに自分なりに予防はしたはずだったのだけれど・・・

今年はバレンタインデーの前日が金曜日だった。
毎年、里子は手作りチョコを皆にプレゼントしてきた。
もちろん今年だってちゃんと作るために準備はしている。
木曜日の夜にチョコを作り始めた里子は中々集中できずにいた。
ちょっと体が重い気がする。
30人分のチョコを作りラッピングまで済ませた時はもう夜中の2時を回っていた。


13日の金曜日・・・

皆にチョコを配る事ができた。
夏子と涼の分も取ってある。
それは週末に持っていく予定。


13日の金曜日・・・

里子はこの組み合わせが苦手だった。
幼い時に家族でこの映画を観たことがある。
妹と私はあまりの恐怖で大声で泣いた。

今の時代、それにここは日本だ。
ジェイソンが甦るはずがない。
こんな時一人暮らしって本当に嫌だ。
体の調子も悪いし体の節々が痛い。
そして不吉な予感が頭から離れない。

今日はさっさと寝なきゃ・・・
明日は14日でバレンタインデー。
夏子さんのお店に行くんだから・・・



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