窓ぎわの晴太くん
エピローグ
晴太は明日の結婚式のために里子の実家に来ていた。
里子と再会したあの日から二人の距離は一気に縮まった。
里子は様々なトラウマのために一秒でも晴太と離れることを嫌がった。
そんな里子を晴太は溺愛した。
何回キスしても体を重ねてもそれでも足りない。
こんなにも女の子にのめり込む性格だったなんて夢にも思わなかった。
おっちょこちょいで天然の里子が毎日心配でしょうがない。
そして早く結婚して自分の物にしたかった。
籍を入れて家族でこじんまりとした食事会をする。
俺の中の結婚のイメージはそんな程度のものだったのに・・・
二人は里子の実家で両親に結婚の許可をもらえた。
里子の両親は里子と性格が全く一緒だった。
気が優しくて穏やかで天然で人を疑うことを知らない純粋な人々。
そんな人々に一つだけお願いをされた。
「結婚式はここで挙げてほしいんです。
こんな田舎で本当に恐縮なんだけど、この町の人々は神社で結婚式を挙げる慣習があって。」
「お父さんとお母さんもその神社で挙げたんだって」
里子は嬉しそうに父と母の顔を見てそう言った。
「最近の若い人達は全くそこで式を挙げなくなったんだけど、里子は昔からそこで挙げるって約束してくれてたんです」
「あ、いいっすよ。
そこの神社で挙げましょう」