窓ぎわの晴太くん



結婚式の当日は最高にいい天気だった。


里子と晴太は早くに目が覚めていた。
里子は胸が高ぶって楽しみで楽しみでしょうがない。


「晴太さん、私は着付けがあるからもう起きるけど、晴太さんは8時ごろに来てくれればいいって夏子さんが言ってたから、まだ寝てても大丈夫だよ」


晴太は布団の中で里子に抱きついた。
壁が薄い里子の家ではキスをするだけなのに息を止めないとならない。
でも、晴太は嫌がる里子を強く抱きしめ布団の中で何回もキスをした。


「俺、この布団から出たくない・・・
何時から始めるんだっけ?」


里子の首筋にキスをしながら晴太はそう聞いた。


「10時から」


晴太は大きくため息をつくと里子の鼻の頭にキスをした。


「晴太さん、実はもう一つ晴太さんに言うことがあるの・・・」



「え?何?」


晴太は恐怖のあまり里子の体を強く抱きしめる。


「実は・・・

会社の西川さん達と広瀬係長も今日来てくれるって」



晴太はこれは何かの試練だと思った。

西川のおばちゃん達が来る?
広瀬係長も??


もうどうでもいい・・・


晴太、逃げ出すなよ・・・











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