窓ぎわの晴太くん



里子はますます晴太の事が知りたくてウズウズしていた。

今の晴太さんって一体何者なの?


「OK。できた~
ののちゃん、目を開けてみて」


夏子は手鏡を里子に持たせた。
里子がゆっくりと目を開けると、そこには1.5倍目が大きくなった可愛らしい里子がいた。


「夏子さん、まつ毛が変わるだけで別人みたい」



「本当にそう思う。
ハルが言ってた通りだね。
エクステしたらののちゃんの二重が手前に出てきて綺麗になるって」


里子は胸の中がじんわり温かくなった。
私の事を綺麗にしてあげたいなんて言ってくれた男性は晴太だけだもの・・・


「ハルのやつ遅いな~
もうとっくに時間すぎてるのに」


里子は鏡に映る自分の顔を飽きずにずっと見ていた。



「ののちゃん、せっかく可愛くなったんだからもうちょっと可愛くなってみない?

実は私、美容師でもあるんだけど、ののちゃんのこの綺麗な髪を少しだけ切りたい。
せっかくこんなサラサラで綺麗な髪してるのに結んでるのはもったいないよ。

ハルもまだ来ないし、10分あったらすぐできるから、どう?」



里子が頷くと、夏子は手際よくハサミで里子の髪を切り始めた。




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