窓ぎわの晴太くん
里子は胸一杯で食欲もわかなかった。
でも、晴太を心配させたくないそれだけの思いでそこにあるサラダを少しだけ頑張って食べた。
晴太の食べる姿を見るだけで幸せだった。
こんなに美味しそうに楽しそうに食べる人を見るのは初めてだったから。
「晴太さん、ちゃんとしたご飯食べてないんですか?」
「コンビニの弁当とかがほとんどなんだよね」
確かに会社でもコンビニのおにぎりとかパンとかを食べてる姿を見かけたことがある。
「一人暮らしだし、自炊とかできないし、しょうがないか。
だから、こんな時にたくさん食べるんだ」
晴太は可愛らしい笑顔を浮かべて満足気にそう答えた。
里子はそんな晴太を見つめながら小さな声で晴太に聞いた。
「晴太さんに一つだけ質問していいですか?」
上目づかいで里子を見上げた晴太はほっぺに縦のえくぼを浮かべて頷いた。
「一つでいいの?」
里子も小さく頷いた。
「・・・はい。
一つでいいです。
でも・・・
その代わり本当の事を教えて下さい」