窓ぎわの晴太くん



「おはようございます~」


里子は朝からご機嫌だった。
会う人皆が里子の髪形や目元の変化に気づいてくれる。
そして、必ず褒めてくれた。


「ののちゃ~ん、可愛いじゃない。
おばちゃん達によく見せてちょうだい。

そのまつ毛はどうなってるの??」


西川さんを筆頭に里子を可愛がる派遣さんが続々と出勤する。
その度に皆大きな声で里子のイメチェンを喜んでくれた。

西川も里子の変わりようを目を細めて喜んでいた。
がしかし、西川は晴太がまだ出勤していないことを確かめるとすぐに里子を隅に引っ張った。


「ののちゃん、昨日は大丈夫だった?」



「はい」


里子は笑顔で返事をする。


「あいつは?
変な事とかしてこなかった?」


里子は一瞬でとても悲しくなった。
晴太が変な事をするはずなんてない・・・


「何も心配するようなことはないですよ。
それよりも晴太さんや晴太さんのお友達の人にとても良くしてもらって、逆に感謝してるくらいです」


いつの間にか里子の周りを西川チームのメンバーが囲んでいた。


「何かあったらすぐに私達にちゃんと言うのよ」


里子は今回は頷けなかった。

だって何かがあるわけないもの・・・
晴太さんの事をそんな風に言わないで・・・







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