窓ぎわの晴太くん

   晴太の裏側




お昼になると里子は自分のデスクの上に3つのお弁当を並べた。
その3つは明らかに大きさが違うお弁当だった。
そして、そのお弁当の上には付箋で名前が貼ってあった。

今日の昼休みのシフトは晴太が一番最後の13時からだ。
12時からの広瀬と西川は里子に呼ばれ、里子のデスクの前に集まった。
野次馬の西川チームの派遣さんも何人か西川についてきた。


「あの・・・
ちょっと言い訳させてください。
実は、急に遅い時間にお弁当の作ることを思いついて買い物にも行かず冷蔵庫に入っていた材料だけで作ってきました。

なので、ちょっとおかずの量が・・・

次からはちゃんと分け隔てなく作ってきますので、今日はごめんんさい。

先に謝っておきます」


里子はそう言いながら広瀬をずっと見ていた。
お弁当のサイズを大中小で例えれば、広瀬のお弁当は小だったから。

もちろん広瀬は気づいていたが、それでも笑顔で里子の話を聞いていた。



< 35 / 208 >

この作品をシェア

pagetop