窓ぎわの晴太くん
涼はこの野々山里子という女に興味を抱いていた。
薄化粧なのかすっぴんなのか?色白の肌がとても綺麗だし、髪だって染めていない栗色をしている。
まつ毛のエクステはきっと姉貴がしたものだろう。
リップはほんのりピンクを塗ってる?
それとも自分のくちびるの色?
涼の周りにいる女の人達とは明らかに違う人種だった。
素材だけでこんな魅力的に見える女性は初めてだ。
涼はベンチにちょこんと腰かけている里子を物珍しそうに見た。
「里子ちゃんっていくつなの?」
「は?」
「きっと俺より若いよね?」
里子は鼻で笑ってしまった。
「それはあり得ないです」
涼は小馬鹿にされているのが分かり、むきになってもう一度聞いた。
「いくつだよ?」
「24ですが、なにか?」
涼は信じられない気分だった。
俺より年上??
「あなたは?」
里子は勝ち誇った顔で涼に聞き返した。
「23」
え? 一個しか違わないの?
涼は童顔のせいか10代の少年のように見える。
でも、今の里子には全く興味のない事だった。
今の里子は大人の晴太しか魅力を感じないから・・・
涼?
ごめんなさい・・・
おこちゃまには用はありませんの・・・