窓ぎわの晴太くん
夏子は里子の前にティッシュの箱を置いた。
晴太はどういうつもりなんだろう?
こんなウブなののちゃんにこんな思いまでさせて・・・
夏子はカウンターの奥の部屋に行き晴太の携帯にメールを送った。
“ののちゃんが来て泣いてるけど、あんた何かした?”と・・・
里子はティッシュで何度も鼻をかんだ。
涼が見ているけれど何も気にならない。
里子は自分のこの涙にうんざりしていた。
「俺の見解では里子ちゃんは晴太に片思いで、晴太はなんかヤバい事してるから連絡先を教えられない」
里子は涼を睨んだ。
「晴太さんは悪い人なんかじゃありません」
「っていうか、俺の知ってる晴太はめっちゃモテてて、高校の時とかにつき合ってる彼女も見た事あるけどすごい美人ばっかり、だから・・・」
「だから、何?」
もうすでに落ち込んでいる里子を見て、夏子は涼に牙をむいた。
「涼、私には分かってるんだからね。
あんたがそんなしつこく晴太の事やののちゃんの事に首をつっこみたくなる理由。
涼、この間彼女と別れたばっかりなんだからもっとしばらく反省しなさい」