窓ぎわの晴太くん
里子はもう一度晴太の横顔を見た。
「晴太さん・・・
そんな風に言ってくれて、本当は飛び上がるくらい嬉しいです・・・
でも、そんな無理しないでください。
私は東京タワーの夜景が見れなくても、こうやって近くで晴太さんの顔が見れればいいんです」
何年ぶりだろうか?
こんなに胸の奥が痛くて苦しい気持ちは。
切なくて何だか泣けてくる・・・
俺ってそんないい奴だったか?
「ののちゃん、でもいつかは行こう。
それがいつになるかはまだ約束はできないけど・・・
でも、僕もののちゃんと一緒に行きたいからさ」
「・・・はい」
里子は分かっていた。
いつになるかは分からないけれど、でも必ず晴太は連れて行ってくれる。
私は晴太を信じているもの・・・
私の知っている晴太はきっと約束を守ってくれる。